
関大前「CAPE COD(ケープコッド)」の愛犬で、関大前のアイドル犬として人気者だったラブラドールレトリバーのさくらが昨年4月17日、天国へと旅立った。雌の14歳で、人間でいえば80歳代での大往生だった。同店の木村清子さん(49=83年社卒)は「いまだに日に3度くらい“さくらちゃんは?”って聞かれる。関大の皆さんに愛されていたんだと思う」と、看板娘の急逝に胸をふさいだ。【写真・法文坂でたたずむさくら=1999年7月ごろ、木村清子さん提供】
さくらは96年3月生まれで、同年4月、ケープコッドへ。映画「男はつらいよ」に登場する寅さんの妹/さくらにちなんで名付けられた。客には吠えず、店が混んでくると自ら散歩に行く利口さ。店前で日なたぼっこをする姿は、関大生のハートをわしづかみにした。
木村さんは「正門前の警備員さんが車じゃなくて『はい、さくらちゃん通ります〜』って言ってくれたりして、学内にも顔パス…というか、黙認されていた」と懐かしがる。千里山キャンパスが文字通り庭で、正門の坂道で後ろ足を前に上げ、お尻をスリスリしながら歩くのがクセだった。
店からJR吹田駅まで歩き、改札を通り抜けホームで電車を待っていたところを発見され、交番のごやっかいになったことも。「犬のいない空間がつらい。みんな癒されていた」と木村さん。人々をなごませていた名犬が去り、関大前が寂しくなった。