関西大学レスリング部のいじめ事件で、暴行や恐喝、傷害などの罪に問われた元主将の濱田周平被告(21=経済学部を退学処分)の判決が18日、大阪地裁であった。
加藤陽裁判官は「長期間にわたるいじめは陰湿で、被害者が当時受けた苦痛は非常に甚大。一方で、被害者と示談が成立しており、大学から退学処分を受けるなど社会的制裁も受けている」として懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。
判決によると、濱田被告は昨年8月に長野県で行われた同部の合宿で、元副将とともに同回生部員の頭髪やまゆ毛をかみそりで剃ったり、トランプの大富豪で約20万円を脅し取った。また、昨年9月から10月にかけて関大前の焼肉店で、炭火で熱したトングを部員の肩に押し当て全治1カ月のやけどを負わせた。
この日の公判までに、被告といじめの被害を受けた4回生部員との間で示談が成立。4回生部員から「実刑に処するのは本意ではない」とする上申書が出されていた。
黒いスーツ姿で出廷した濱田被告は「謝罪の気持ちは変わらない。2度とこういうことはしない」と述べた。この日は大学関係者や、レスリング部部長だった元教授も傍聴席で判決を聞き入った。
なお、同部元副将の中村淳一被告(21=政策創造学部を退学処分)は起訴内容を一部否認しており、大阪地裁で公判が続けられている。