2006年05月19日
関大高槻新キャンパス白紙撤回も〜高槻市に“土地タダでくれ”
30階建てのビル建設を核とした関西大学の高槻新キャンパスが最悪、白紙撤回される可能性が出てきた。関大が高槻市に、高槻新キャンパスの建設予定地(高槻市古曽部
町、約1万8000平方メートル、写真)の無償提供を求めていることが19日までに分かった。
建設予定地は電池メーカーの関連会社の所有地で、高槻市の区画
整理事業の対象地となっている。地価は約20億円弱で、実勢価格は
それ以上。高槻市が関大の求めに応じた場合、事実上高槻市が20億
円もの税金をキャンパス誘致に使うことになり、事態をややこしく
している。
大学関係者は読売新聞の取材に「支援は当然。市の支援がなけれ
ば資金計画が狂う。構想は白紙撤回せざるをえない」と話している
が、高槻市側は“土地をタダでくれ”との関大の申し入れに、当た
り前の話だが困惑を隠せない。
関大は2004年、高槻市から高槻駅前にサテライトキャンパス設置
を持ちかけられたのをきっかけに、高槻新キャンパスの建設を計画
した。大学内部では、高槻市側から誘いがあったことなどから、用
地は無償で提供されるべきと判断したが、高槻市側はそこまで考え
ていなかった。
高槻新キャンパスの総工費は約150億円が見込まれているが、
その中に用地の収得費は含まれていない。
高槻市側は、市議会や市民の理解が得られる支援の在り方を模索
しているが、私立大学のキャンパス誘致に数十億円を投入すること
に、市民の理解が得られるかどうかは疑問。来年の市議会議員選挙
も控え、状況は不透明だ。