2006年11月13日
HIKARU、ジャンボに激勝〜KWA学園祭決戦
リングに虹をかけた。ヒカルの人間橋が、雨に泣
かされた学園祭シリーズに終止符を打った。大き
な弧を描く、ダイナミックな飛龍原爆固め2連発
でジャンボから3カウント。30分43秒のロング死
闘を制したヒーローは「ジャンボはやぱり強かっ
た。ひとつしか言えることはない。今回の学園祭
のタイトル『讃歌』は、ジャンボに捧げます」と、
ライバルを讃えた。
試合が行われる予定だった大会3日目は、雨で中
止。この日の興行も、何度も雨天中断を余儀なく
された。メーンが行われた午後0時半すぎには晴
れあがったが、不安定な天気はリング上で吹き荒
れる壮絶マッチを予感させた。
場外ではイス攻撃の“豪雨”に苦しんだ。会場脇
のゴミ置き場にたたきつけられると、階段下の立
て看板に投げ落とされた。伝家の宝刀・飛龍裸絞
めもブレーンバスターで返された。
意地だけで耐えた。ジャンボの力まかせのラリア
ートを6発食らったが、初日に巻いたジュニアの
ベルトが、ヒカルの体を動かした。ジャン鶴ボム
をウラカンラナで逆転。続けざまに原爆固めを放
つと、カウント1で立ち上がったジャンボの顔面
にヒザ頭を浴びせ、フィニッシュにつないだ。
ようやく心を覆っていた雲が晴れた。9月28日の
生協裏2連戦の前日、スパーリング中に負傷。口
内を13針縫う大ケガを負った。メーンに出場予定
だった29日の大会を中止にしたが、判断をめぐり
ファンから賛否両論が渦巻いた。「会場の皆さん、
皆さんあってのKWAです。これからもよろしく。
そしてアリガトーッ!」。そう叫んだ瞬間、涙が
止まらなかった。
2年前の学園祭最終日。第1試合で1回生対決
として組まれた2人の対決は、運命の針が進み
ヘビーとジュニアの王者対決として学園祭の大
トリを務めた。卒業という学生生活のゴールが
見え始め、ヒカルとジャンボのライバル物語が
最終章を迎えようとしている。