2011年11月19日
【関大生就活はこう臨め!5】他人の成功話は…
−淡々と書く…例えばどういうことですか?
「サークル活動でヒラの部員だったとしましょう。例えば学祭で出店をする時に、声出し担当と出店の周りの清掃を担当していました。はっきり言って地味な仕事ですよね。だけど、それをずっとやっていた。朝10時にもかかわらず『餃子いかがですか』と、延々声をかけていた…というのを普通に書いていれば、読む人が読めばこの人は地道なことであってもきちんとやるんだと考えるはずです。それを、わざわざサークルの副部長とか、広報担当でしたとか、出店の前で声を出すことで集客率20パーセントアップしました、とか書くと『うわっこいつ嘘くせえ〜』となって落っことそうかという風になっちゃうわけですよ。嘘くさいというのは採用する側もわかってて。それよりは事実を淡々と書く。その事実が相手の琴線に触れるだけ、という方が可能性が高いんじゃないかな。どうしてもリーダーシップだ、とか言い張りたいんだったら止めはしませんけど、必ずその根拠を示さないと。でも根拠を示せる学生というのは、繰り返しますけど、5パーセントくらいの学生しかいないはずです」
−餃子の話はわかりやすいですね。でも、この例をそのまま書く人が出てきそうな…。
「よく成功の方程式ってありますけど、就活においての成功の方程式は、はっきり言って失敗の方程式なんです。誰かひとりがやれば、最初の人は受かるんですよ。例えば関大で有名なのが、大関酒造を受けた学生が逆立ちをして『僕は関大ですから逆立ちすれば大関です』。大関酒造も、あいつ面白いなあ、だったら採用しようと。だけど、それが2人、3人、10人…と続けば、またか、もう嫌だ…と。無理にオリジナリティーを出そうとしても無理があると思います。小説書くわけでもないし。それよりは自分の個性をどう判断するかは相手に任せる方が、受かる確率がよっぽど高いと思いますけどね」
【おわり】
【石渡嶺司(いしわたり・れいじ)】1975年(昭和50)北海道札幌市生まれのライター・大学ジャーナリスト。東洋大学社会学部卒。2008年に出版した『就活のバカヤロー』(光文社新書)がヒット。『ヤバい就活!』『就活のしきたり』(PHP新書)などの著書がある。関大生協で「関大生のための就活スペシャル講座」を講演中。11月29日に行う「内定ゼロのエントリーシートが内定長者に生まれ変わる添削ライブ」は、定員100人が即満員になった。