2014年07月07日
関大楠見学長が発見!天満天神のおいしい水
天満の天神さんとして親しまれている大阪天満宮(大阪市)の井戸水が、関西大学の手によって約20年ぶりに復活した。25日の天神祭で「天満天神の水」として参拝客にペットボトルが配られるほか、おひざ元の天神橋筋商店街限定で飲める地ビールやコーヒー、ハイボールなどに利用する構想が浮上している。
地盤工学専門の楠見晴重学長(60)のゴッドハンドが、かつての名水を掘り当てた。大阪天満宮周辺はもともと、おいしく良質な地下水が豊富な土地。江戸時代は酒蔵が立ち並んでいたほどだったが、戦後の90年代までに境内の井戸水はすべて枯れてしまったという。
社会学部の与謝野有紀教授(53)が2011年、楠見学長や大阪天満宮、天神橋筋商店街などと共同で、井戸水復活への試みを始めた。楠見学長は、阪神高速道路建設時の掘削データを分析し「おそらく水が出る」と判断。関西大学のプロジェクトとして試掘すると、地下約70メートルの地層に大量の地下水を発見した。
飲料水の衛生基準もクリア。すでに1日最大5トンをくみ上げる施設が、大阪天満宮の境内に完成した。与謝野教授は「水を使ったビールや梅酒など、商店街だけでしか味わえない名物をつくって盛り上げていきたいし、関大として応援したい。関大前商店街の名物づくりにも役立てたら」と期待。天満天神の水が、渇いたのどと地域を潤す。【写真・名水復活に尽力した与謝野有紀社会学部教授】