2015年10月02日
大麻密売の関大非常勤講師 起訴内容を一部否認

フィリップ被告は「預かったものを受け渡しただけで、営利はありません」と、起訴内容を一部否認した。【写真・公判が開かれた高知地裁】
起訴状によると、フィリップ被告は今年6月28日、大阪市中央区のマンションで高知市の暴力団幹部(59)に、乾燥大麻を譲り渡したとされる。別の事件で暴力団幹部が覚せい剤取締法違反で逮捕・起訴された際、警察の捜査などでフィリップ被告が大麻の入手先であることが分かった。
授業のため週3回、自宅がある三重県志摩市から大阪に出てきていたフィリップ被告。セカンドハウス兼密売拠点となっていたマンションからは、大麻約112グラムと大麻成分を抽出した液体が見つかった。電子たばこに詰めて所持していたという。
消え入るような声で裁判官の質問に答えていたが、検察官から証拠品の乾燥大麻を示され「これはあなたが渡した大麻ですか?」と問われると、笑いながら「見てわかるものじゃないですが…」とアメリカン・ジョークも飛ばした。
関大生にも人気があったフィリップ先生。2008年(平成20)から法学部などで英語の授業を受け持っていた。授業を受けていた関大生は「就職活動で英語の授業を休んでも考慮してくれた。先生のおかげで卒業できた関大生は多いはず」と話す。7月の春学期試験直前に依願退職。突然、学生の前から姿を消したという。
元暴力団組員で、覚せい剤取締法違反などで約4年間服役していた異色の経歴を持つ。よく予備校などでヤクザまがいの風貌の講師がいるが、まさか関大にリアルヤッちゃん先生がいたとは…。
関西大学では2006年7月、危険ドラッグを服用した文学部4年の男子学生が、錯乱状態となり関大前のマンションから転落死。08年には工学部7回生の男子学生が千里山キャンパス内で関大生12人に大麻を密売し、文学部3年の男子学生が譲り受けたとして逮捕されている。
大学一丸となって薬物事件の再発防止に取り組んできたが、教える側が大麻の売人だったとは、本当にシャレにならない。
【関連記事】まさか先生が…関大非常勤講師を大麻販売で起訴-2015年9月24日
体育館前のボーダーは、大麻の売人だった〜逮捕された工学部生-2008年5月16日
マジックマッシュルーム服用はジェンガの罰ゲーム-2006年7月13日